2012年8月31日金曜日

「漁夫の利」を得る北朝鮮:むこう1年が勝負

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●北京の日本大使館に到着した北朝鮮側の代表、劉成日外務省日本課長(写真中央、29日)



ウオールストリートジャーナル 2012年 8月 30日 7:15 JST
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_503288


●北京の日本大使館に到着した北朝鮮側の代表、劉成日外務省日本課長(写真中央、29日)

日朝関係、4年ぶりの政府間協議で改善に向かう可能性も

 【東京】日本と北朝鮮の政府間協議が29日、中国の北京で4年ぶりに始まった。
 アナリストらは協議開催について、外交や経済改革を通じて新体制の安定化を図りたい北朝鮮政府の意向が背景にあると分析している。

 日朝間では国交が正式に樹立されたことはない。
 さらに、1970年代から80年代に起こった北朝鮮による日本人拉致事件や、日本上空を通過した弾道ミサイルの発射実験、核兵器開発のために、両国関係は長年にわたり、非常に緊張した状態が続いている。

 この日の協議の公式議題は第2次世界大戦末期や終戦直後に現在の北朝鮮で死亡した日本人の遺骨返還だが、協議の焦点は日本人拉致問題の進展だ。

 また、今回の協議は両国にとって、昨年12月に金正日総書記が死去した後に三男の金正恩氏が北朝鮮の指導者の座に就いて以来初の話し合いの場となるため、金正恩氏の外交方針を推し量る上で注目される。

 朝鮮半島問題の専門家の小此木政夫・慶応義塾大学名誉教授は
 「多分、拉致問題に関しても、北朝鮮側は人道問題の一部として対応する用意があるという姿勢で出てくるのではないか」
とみている。

 小此木氏によると、北朝鮮政府が目指しているのは、日本との国交を正常化することや日本政府からの経済支援を引き出すことであり、それには拉致問題の解決が不可欠だという。
 北朝鮮は食糧不足や社会資本の貧弱さに苦しんでいる。
 同国で洪水などの自然災害がよく発生するのはインフラが整っていないからだ。

 北朝鮮政府は2002年、スパイ養成のための要員として過去に日本人を拉致したことを認めた。
 その後、拉致した日本人5人とその家族が日本に帰国することを許したが、残り8人については既に死亡したと主張した。
 現在、北朝鮮は拉致問題について、すでに解決済みとの姿勢を示しているが、多くの日本人は今も生存者がいると考えている。

 過去の日朝協議は拉致問題で決裂することが多く、また2008年8月以来開催されていなかった。
 ただ、静岡県立大学国際関係学部の伊豆見元教授は、北朝鮮が今回これまでより突っ込んだ協議に前向きな姿勢を示す可能性はあるとみている。
 
 報道によると、日本は当初、局長級の協議を求めたが、北朝鮮側の要望で課長級に変更されたという。
 伊豆見教授はこれについて、
 「北側は協議を続けようという意思がある可能性が相当高い。
 課長級から始めようというのは北側の発案だというので、繋げていく、数回やろうとしている。
 ある段階で、局長級、大使級のレベルに上げられればという思いがある可能性がある」
と指摘した。

 一方、日本は現在、韓国政府が実効支配する竹島(韓国名:独島)の領有権をめぐり韓国と激しく対立している。

 今月10日には、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が竹島に上陸。
 日本の国会はこれに反発する形で、李大統領の竹島訪問に対する抗議決議を採択した。
 さらに、野田佳彦首相も竹島を「不法」占拠しているとして、韓国政府を批判した。

 北朝鮮は竹島問題で日韓関係が緊張しているこの時期を、日韓の対立を煽り、日本との関係改善を進める好機と考えているのはないかと小此木氏は指摘する。

 「北朝鮮としては、日本と韓国の関係が悪いから、今がチャンスだと思っている。
 日本は今なら北との関係を受け入れると思っている。
 彼らは、つまり日本は韓国とうまくいっていないでしょう。だ
 から、我々とやりましょう、というメッセージを送っているのではないか」
と同氏は分析した。



 なんとなんと、李明博の動きが、日朝関係の改善方向への促進剤になってしまった。
 李明博は日本の北朝鮮への接近を嫌って竹島に行き、天皇発言をしたという面もある。
 しかし、それは北朝鮮に漁夫の利を与えてしまった。
 外交は難しい。
 韓国が日本に辛く当たれば当たるほど、シメシメと北朝鮮は日本に擦り寄ってくる。
 日本と韓国は向こう一年は冷たい関係が続く。
 韓国は「日本とチキンレースをやる」と宣言しているほどに解決の見通しはない。
 北朝鮮としては願ったりの展開が目の前に開けてきた。
 おそらく北朝鮮は受け身に転じて、この一年で、短くとも李明博政権の間に日本から多大の利益を引き出そうと画策するだろうし、日本はそれに意図的に乗るだろうと思う。
 北朝鮮にとっては降って湧いたような朗報であり、これをできるかぎりうまく利用しないといけない。
 もし、それができないようなら、新しくできた政権の前途は危ぶまれる。
 こんなチャンス二度とめぐってこないかもしれない。
 来年2月に韓国大統領が代わる。
 新しい大統領は最大努力をもって日本との関係改善に奔走するだろう。
 その第一条件が李民博の汚職摘発になることは間違いないだろう。
 それまでは日本は手を貸すことはない。
 それまでの間が、北朝鮮にとって勝負の時になる。
 
 しばらく前までは、中国と北朝鮮、日本と韓国という構図になっていた。
 それが今は韓国は中国に色目を使い、北朝鮮は日本にすりよろうとしている。
 時の流れというものはまった不可思議である。
 これから何が起こるかわからない時代に入っていく。

 いまのところ、韓国は孤立化している
 周囲としても現大統領があと半年しか任期のない韓国に積極的に出るということはない。
 この半年は真っ暗な道筋を歩むことになろう。
 誰も手を貸してはくれない。



レコードチャイナ 配信日時:2012年9月2日 17時41分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64304&type=0

<竹島問題>世界を巻き込む日韓の論戦=和解に向け米国が仲介か―中国紙

 2012年9月1日、環球時報は記事
 「日韓の島嶼しょ紛争と論戦は全世界で展開=米国は抑制に働きかけ
を掲載した。

 竹島問題が激化している。
 韓国が竹島問題の国際司法裁判所(ICJ)共同付託に反対したことを受け、日本は単独提訴の方針を示している。
 韓国も負けてはいない。
 韓国外交通商部は10カ国語のパンフレットを製作、世界150の大使館、領事館で35万部を配布する方針だ。
 また世界の韓国語学校1800校あまりに竹島の宣伝資料を配付する計画もある。

 日本と韓国、いずれも米国にとっては重要な同盟国だが、その両国の争いを米国も見過ごしてはいられないようだ。
 韓国紙・文化日報は米国が日韓両国に抑制するよう呼びかけたことを伝え、間もなく開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)で和解するよう仲介する可能性が高いと伝えている。


 アメリカとしては立場上、仲介役を買ってでるであろうが、深くはやらないだろう。
 韓国はともかく日本はそれを望まない。
 このタイミングで北朝鮮が接触を求めてきている。
 ここで安易に韓国を顔合わせしたら北朝鮮は逃げてしまう。
 「李明博、相手にせず
の方針があるかぎり、表面的にはアメリカの意向に沿うが、韓国と手打ちということはやらない。
 韓国がでしゃばってこないというこの絶好の機をとらえて、日本としては北朝鮮と一気に関係を保って長年の懸案事項の処理をやってしまいところだ。
 チャンスというのはそうあるものではない。
 韓国なしのほうが円満にいく
という事項は多々あるだろう。
 この機をとらえてどんどん処理を進めていきたいというのが外務の希望だと思う。
 そんな願ってもない時、アメリカが不要に余計なちょっかいを出すことは、日本政府にとってはありがた迷惑になる。
 表面的な形だけのものに終わるだろう。





【おもしろ韓国】



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