_
韓国がチキンレースをはじめるかどうか、意見がいろいろあるようである。
ある識者は
「韓国の信用レベルは日本と同じ」
「外貨保有高も十分」
「経済黒字も出している」
からして、スワップの延長はなくてもやっていけるとする。
一方では
「日本は韓国の外貨準備について、緊急時に現金化できる金額はどれほどかについて看破している」
「韓国の金融商品は危機の兆しがみえれば、投げ売りされる商品にすぎない」
「ウォンとはニューヨークの主要銀行に5万ウォン紙幣の札束を持っていっても、ドルに両替してくれない、シロモノ」
「国際金融市場で存在価値を全く存在できないのがウォンの現実」
「日本はどの急所を突けば、韓国が血の涙を流すかを熟知している」
と論じ、
「日本にもプライドを捨てて頭を下げるべきか、
問題を次の政権に持ち越すかを決断すべき時を迎えた」
という意見を述べる人もいる。
今月末が期限だが、どうなるだろう。
予想を述べるなら、おそらく
「韓国は延長の申し入れをしない」
だろう。
ここで、頭を下げるわけにはいかないはずである。
そして、中国への傾斜を一層強めることになるだろう。
『
朝鮮日報 記事入力 : 2012/10/07 08:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/07/2012100700125.html
「日本には政経分離で対応せよ」
新たなる「韓国策略」…北東アジア冷戦時代、21世紀の韓国の選択を語る
安忠栄・中央大学碩座教授
「政治・社会的には、韓日関係は当面冷え込んだ状態が続くだろう。
しかし、少なくとも経済的には、政経分離で落ち着いて対応する必要がある」
安忠栄(アン・チュンヨン)中央大学碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動を行えるよう大学の指定を受けた教授)=71=は
「韓国と日本は、既に経済面でお互いに必要不可欠な存在になっているため、日本が今回の問題で経済協力パートナーとしての信頼を自ら損なうことはないと思う。
むしろ、グローバル金融危機以降に進めてきた東アジア経済統合の話し合いをさらに発展させ、政治・外交的な不安にも揺らぐことのない土台を築くべき」
と語った。
その一方で安教授は
「商取引というものは本来、やったりやられたりという面があるため、今回の問題をきっかけに経済官僚・企業関係者がこぞって日本に対して低姿勢を取ったり、萎縮したりする必要はない。
こういう時だからこそ、多国間協力を強化するなど、開放された韓国の姿を対外的に一層PRし、毅然(きぜん)とした態度で対処すべき」
と語った。
-野田首相が、通貨スワップ協定を凍結する可能性を示唆した。
日本が実際に経済的な報復を行う可能性はあるのか。
「今回の対立を理由に、日本が韓国に経済的な報復を行うとすれば、それは了見が狭いということだ。
日本の政治家は、ポピュリスティック(大衆迎合的)な右傾化レトリック(修辞技法)を用い、票を集めることばかりに集中している。
しかし経済分野は、実利を重視する。
日本が経済面で、民族主義の感情に基づいて報復するというのは、日本にとってマイナスになることだ。
韓国はもちろん、アジア全体の経済協力に問題が生じる恐れがあるからだ。
そのため、日本がこの問題を口実に韓国経済を冷え込ませる可能性は低いと見ているし、
そうならないことを希望する」
安教授は
「韓国と日本は、中国および東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟諸国と共に、“チェンマイ・イニシアチブ”(CMI。通貨スワップ協定の多国間ネットワーク。
2000年5月にタイのチェンマイで合意に至った)のような金融協力を強化してきた。
それにもかかわらず、報復の意味で韓日通貨スワップ協定の縮小・凍結に踏み切る場合、東アジア諸国の信頼を自ら損なうことになるだろう」
と説明した。
-それでも、もし日本が実際に通貨スワップの凍結・縮小に踏み切った場合は。
「仮に日本がそのような対応に出ても、韓国の対外信頼度は高まっているため問題はない。
少し前に、韓国の信用格付けは日本と同じレベルに達したではないか。
外貨保有高も十分だ。
不況型の黒字だというが、経常収支の黒字も出している。
日本がそのような対応に出ても、パニックになる必要はない。
ただ、米国や中国との通貨スワップを拡大するという案は、考慮に値する。
韓国の企業関係者も、実力を養い、経済体質を強化する努力をしなければならない。
いたずらに経済報復のカードを切ったところで、
日本が韓国に何の衝撃も与えられないとなれば、外交的・経済的には日本にとってむしろ損失になるだろう」
-この機会に、中国との関係についても考えなければならない。
経済的には中国の方がより密接になっているが、どのような戦略が重要だと考えるか。
「中国は、地理的に韓国と近い上、国内市場も大きく、成長を続けているため、当然ながら中国市場を積極的に活用しなければならない。
とはいえ、過度に中国偏重になってはいけない。
インド、カナダ、メキシコなど多様な国を輸出ターゲットに定め、グローバル化する戦略を積極的に推進すべきだ」
-間もなくウラジオストクでアジア・太平洋経済協力機構(APEC)首脳会議が開催される。
ロシアとの協力関係も重要になると思われるが。
「プーチン大統領は、極東ロシアに目を向けている。
エネルギーが豊富な極東ロシアにロシアが関心を寄せるならば、エネルギー資源確保という観点から、韓国が進出できる舞台もさらに広がるだろう。
極東ロシアまでを含めた地域内の相互投資を拡大すれば、北東アジア共同体も現実的に可能な話だ。
韓中日と極東ロシアが、貿易・投資・物流で結ばれるだろう」
「こうなれば北朝鮮も、こうした構図を思い通りに瓦解させることはできないだろう。
長い目で見れば、民族統一にとってもかなり有効な安全装置になり得る。
北朝鮮が戦争の危険をあおったら、経済協力のムードは崩壊しかねないが、中国やロシアが黙っているとは思えない。
このようにウィン-ウィンの関係(両者共にメリットのある関係)を構築する共同体に発展するチャンスを、日本がぶち壊すべきではない」
安教授は
「欧米の経済が長期低迷の局面に陥っている中、東アジアが成長の動力を維持するためにも、韓中日3カ国の経済協力はより一層必要」
と強調した。
「2008年に世界金融危機が起こった後、欧米経済が低迷しても世界経済が維持されたのは、アジア経済が浮上したからだ。
北東アジアは、膨大な資源を有し、巨大な内需市場がある。
韓中日3カ国がFTAを締結すれば、欧州連合(EU)や北米自由貿易協定(NAFTA)のように羽ばたくことができる。
今、日本経済は20年を越える不況に苦しみ、中国もこのところ成長が鈍化している。
韓国は3%の成長も困難な状態だ。
東アジアが成長の動力を維持するためには、世界の製造業の基地となっている3カ国が、互いに貿易・投資を活発に行わなければならない。
過去の問題のせいでアジア経済統合の機運がくじかれてはならない」
その一方で安教授は
「経済的な利害関係も重要だが、互いに思いが通じる国同士でのみ経済統合や経済協力が可能」
と指摘した。
「考えを同じくする国が人類の普遍的価値を互いに共有する関係にあるといえる時に、経済的統合という行為が生まれるわけだ。
人権を尊重する国は、人権を無視するような国とは一緒になれないのではないか」
■安忠栄・中央大学碩座教授
韓中日3カ国を中心とする東アジア経済統合に関する研究を活発に進めるベテラン国際経済学者。
米国オハイオ州立大学で計量経済学と国際経済発展論を研究し、経済学の博士号を取得した。
2000年、韓国と東アジア経済の発展の方向を提示した日本語の著書『現代東アジア経済論』を発表し、総理府(現・内閣府)の特殊法人(当時)総合研究開発機構(NIRA)が制定した第1回大来政策研究賞を受賞した。
また先月には、7年にわたって大韓貿易投資振興公社(KOTRA)外国人投資オンブズマンとして活動し、韓日間の経済協力を促進した功績が認められ、日本の外務大臣表彰を受賞した。
韓国国際経済学会長、対外経済政策研究院長、大統領直属の規制改革委員会民間委員長などを歴任。
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2012/10/07 06:25
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/07/2012100700086.html
【コラム】世界で通用しないウォンの悲哀
米連邦準備理事会(FRB)のグリーンスパン前議長は昨年、ニューヨークで開かれた投資家との会合で講演した。
主催者は
「講演料をドルで払いましょうか。それともユーロで払いましょうか」
と尋ねた。
グリーンスパン前議長は
「フォーナインにしましょう」
と答えたという。
フォーナインとは、9が4つ、すなわち純度99.99%の金塊を指す。
現在のような危機ではどこの国の通貨も信用できないというジョークだった。
主権格付けは一国が借金を返済する能力を表す指標であり、国内総生産(GDP)は一国の経済の規模を示す指標だ。
ある国の経済力が最も凝縮されているのがその国の通貨だ。
経済が健全ならば通貨は信頼され、経済が崩壊すれば通貨も姿を消す。
40年以上前、カンボジアの通貨は一夜で紙くずになった。
経済が破綻し、新政権が樹立されると、それまでの通貨が無効化されたからだ。
カンボジアの人々は旧紙幣を貼り合わせ、紙袋などにリサイクルした。
エクアドルは2000年1月、財務省の庁舎前で自国通貨を燃やすセレモニーを行った。
米ドルを同国の公式通貨に定めた直後だった。
ハンバーガーもドル建てで売られるようになり、銀行預金もドル建てに変わった。
しかし、「米国の植民地になるわけにはいかない」と叫ぶデモは起きなかった。
国会での小競り合いもなかった。度重なるインフレ、金融危機、通貨危機が身にしみたエクアドル国民は自国通貨が煙の中に消えるセレモニーに拍手を送った。
韓国ウォンがカンボジア、エクアドルの通貨のように没落すると考える人は誰もいないだろう。
韓国はG20のメンバーであり、主権格付けもAクラスだ。
世界の半導体市場を席巻し、世界最強の造船会社も持つ。
そんな国の健全な通貨がいつの日か突然死することなど想像できるだろうか。
たった1回の操作ミスでパソコンの秘密ファイルが消去されるように、ウォンが突然死するはずはないと信じるならば、我々は別の質問を投げ掛ける必要があるだろう。
貿易規模が世界9位、経済規模が世界15位の国の通貨が外国ではなぜ全く通用しないのか。
なぜウォン建て債券が東京やロンドンでは売れず、ソウルでだけ売られるのか。
なぜニューヨークの主要銀行に5万ウォン紙幣の札束を持っていっても、ドルに両替してくれないのか。
韓国人が中国の延辺朝鮮族自治州や韓国人が多いバンコクのゴルフ場でウォンが使えたからといって感激する時代は過ぎた。
海外旅行中にウォンで支払いができたことで「祖国の力」を感じ、こぶしを握り締めるのも照れくさい。
国際金融市場で存在価値を全く存在できないのがウォンの現実だ。
イラクのサダム・フセインは米国と戦いながら、原油の輸出代金をユーロで受け取るよう命令した。
しかし、彼が隠れていた地下壕(ごう)で拘束された際、米ドルで75ドルの現金が見つかった。
米国をそれほど憎んでいたフセインも、生死が懸かった窮地で非常資金として使えるのはドルだけだと信じていたのだ。
独島(日本名・竹島)をめぐる紛争の余波が通貨摩擦に拡大した。
日本は韓国が通貨スワップを延長するようひざまずかない限り、通貨同盟を維持できないとした。
日本はどの急所を突けば、韓国が血の涙を流すかを熟知している。
円は世界のどこでもドルやユーロと換えられる通貨だが、
ウォン建て債券や韓国の金融商品は、フセインのドル札のような非常用の資金となるどころか、
危機の兆しさえ見えれば、まず投げ売りすべき存在
であることをよく知っているのだ。
日本は4年前にも韓国が2000億ドルを超える外貨準備を持ちながら、途方にくれているのを横目に見ていた。
現在韓国が3200億ドルを超える外貨準備を誇りながら、サブプライム関連の債券がどれだけ含まれているか、緊急時に現金化できる金額はどれほどかについて看破している。
韓国銀行(中央銀行)の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は先月、中国に通貨スワップの常設化を提案した。
通貨同盟を恒久化しようと頭を下げた格好だ。
日本にもプライドを捨てて頭を下げるべきか、問題を次の政権に持ち越すかを決断すべき時を迎えた。
李明博(イ・ミョンバク)大統領が就任した日、ウォン相場は1ドル=949ウォンだったが、今月5日のウォン相場は同1111ウォンで、17%もウォン安に振れた。
ウォンがそれだけ価値を失ったことになる。
ウォンの通貨としての価値が低下することも知らないまま、自動車、半導体の輸出を最優先してきた結果だ。
国の経済がこれだけ大きくなった以上、そろそろウォンを金塊のように堅固な通貨に成長させるという指導者が現れてもよい時期ではなかろうか。
』
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朝鮮日報 記事入力 : 2012/10/08 08:31
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/08/2012100800495.html
「韓日通貨スワップ、延長しなくてもよい」
韓国政府当局者、立場変更を示唆
今月末で期限を迎える韓日通貨スワップの延長問題をめぐり、韓国政府の立場が
「延長しなくても問題ない」という方向に傾いている。
韓日両国は昨年10月、欧州財政危機の深刻化を受け、両国間の通貨スワップの規模を従来の130億ドルから700億ドルに増やした。
今月末までに協定を延長しなければ、通貨スワップの規模は元の130億ドルに戻る。
日本政府が今年8月、独島(日本名・竹島)問題で韓国と対立し、通貨スワップ縮小の可能性に言及した際も、韓国政府は
「政経分離の原則に従い、冷静に対応する」
として、協定延長の構えだった。
韓国政府の関係者は7日、
「ほかへの波及効果を除き、韓日通貨スワップそのものだけ見れば、延長しなくても問題にはならない」
とし、日本側が最近「韓国側から通告がなければ延長しない」との姿勢を示していることに対しては
「韓国が毅然と対処すべきとの意見が多数だ」
と指摘した。
別の韓国政府関係者も
「現在は外国の資金が流入し過ぎて心配な状況だ。
昨年は韓日通貨スワップが金融市場安定には必要だったが、現在は特に意味がない」
と述べた。
韓国政府の立場が大きく転換した背景には、複雑な要因がある。
第一に問題が韓日両国の感情的な争いに発展し、韓国政府の選択の幅が狭まったことだ。
韓日通貨スワップ問題に詳しい金融業界幹部は
「まず頭を下げなければ延長しないという(日本側)の言葉に韓国政府がそのまま従うわけにはいかない。
日本との対話は行うが、向こうに態度の変化がなければ、韓国から先に延長を提案しないというのが政府内部のムードだ」
と説明した。
最近の経済状況も韓日通貨スワップを延長しなくてもよい方向に流れている。
先月には韓国の信用格付けが上方修正され、ウォンの対ドル相場は今月5日、年初来高値となる1ドル=1111.30ウォンまで上昇するなど、安定した状況だ。
韓国政府の態度変化をめぐっては
「日本との水面下での交渉力を高める狙いがある」
との見方もある。
韓国政府は今月末の延長期限を控え、今週東京で開幕する国際通貨基金(IMF)総会に朴宰完(パク・チェワン)企画財政部(省に相当)長官を派遣し、水面下でも折衝に乗り出す構えだ。
』
つまり、本当は延長したいのだが、表面上は「延長不要」とアドバルーンをあげて、水面下で交渉して延長にもっていこうということのようである。
ということは、
「延長はしたいのだが、頭は下げたくない」
まあ冷静にみれば、そんなところが本音になるのはいたしかたないでしょう。
『
サーチナニュース 2012/10/09(火) 12:18
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1009&f=politics_1009_009.shtml
韓国政府、日韓通貨スワップ「延長しない」 拡大措置終了へ
韓国政府と韓国銀行は9日、今月末に期限を迎える日韓通貨交換(スワップ)の拡大措置について、延長しない方針を明らかにした。複数の韓国メディアが報じた。
韓国銀行は、拡大措置を終了する理由について、最近3大格付け機関が韓国の信用格付けを上方修正したことや、金融市場が安定しているためと説明した。
韓国政府は、日韓関係の政治的な問題ではなく、経済的な判断に従ったものだと説明。
また、韓国の延長要請を日本が拒否したのではなく、韓国が初めから延長要請をしなかったことを明らかにした。
日韓両国は、2011年10月に通貨スワップの上限額を700億ドルに拡充することで合意。
今月末で期限を迎えるが、韓国が延長をしない方針を示したことにより従来の130億ドルに戻る。
』
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朝鮮日報 記事入力 : 2012/10/10 08:53
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/10/2012101000519.html?ent_rank_news
韓日通貨スワップ:「外国為替の盾」結局放棄
韓日通貨スワップを延長しないとの両国政府の発表は、独島(日本名・竹島)問題で韓日間に外交上の対立が生じる中、一見役に立たないが、捨てるのも惜しい存在だった通貨スワップに未練はないとする宣言と受け止められている。
通貨スワップとは、預金口座の当座貸し越しに例えられ、緊急時に相手国に自国通貨を預けて、相手国通貨やドルを借りる協定で、非常時に使える外貨準備という位置付けだ。
韓国は世界的な金融危機直後の2008年12月に為替市場の安定を目的として、日本との通貨スワップの規模を一時的に130億ドルから300億ドルに増やし、昨年10月からは1年間の時限措置で同規模を130億ドルから700億ドルに拡大した。
しかし、日本から実際に資金を借り入れたことはない。
韓国政府の関係者は「世界的な金融危機当時、米国からドルを借り入れ、急場をしのいだことはあったが、日本にまで助けを求めるほど差し迫った状況ではなかった。
韓日通貨スワップは
『あっても大きな効果はないが、なければ外貨調達先が減る』という存在だった」
と指摘した。
韓国政府は08年10月に米国と300億ドルの通貨スワップ協定を結び、10年2月に終了した。
■経済的論理より外交問題に注目
韓日通貨スワップが注目を浴びたのは、今年8月の李明博(イ・ミョンバク)大統領による独島訪問と天皇陛下に対する謝罪要求で、韓日間の外交的対立が生じたことがきっかけだ。
当時の安住淳財務相は、韓国に対する経済的報復措置として、通貨スワップの中断を示唆した。
これまで韓国政府は慎重な立場だった。
ギリシャ、ポルトガルを発端とする欧州財政危機がスペインにまで拡大する中、通貨スワップ協定を中断すれば、為替市場に影響を与えかねないと判断したためだ。
しかし、8月末から状況が変わった。大手格付け会社3社のムーディーズ、フィッチ、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が相次いで韓国に対する信用格付けを引き上げ、外国人の投資資金が流入し、為替市場が安定を取り戻したからだ。
複数の韓国政府関係者によると、韓国側が通貨スワップの縮小へと傾いたのは
「韓国が先に延長を要請しなければ、延長は検討しない」
とする日本側の立場が明らかになった10月初めだったという。
韓国政府の幹部は
「延長しないという方針は既に先週末に決定し、週末にかけ双方が発表に関連した文言の修正作業を行った。
通貨スワップが国家間のプライドの問題となり、国民感情を考慮せざるを得なかった」
と説明した。
■外国為替市場への影響は
韓国政府は韓日通貨スワップがなくても、外国為替市場で自立が可能だとの立場だ。
企画財政部の殷成洙(ウン・ソンス)国際金融政策局長は
「韓国の信用格付けが上昇し、外国人投資家の見方が変わって、最近為替相場の変動幅は1ドル当たり1-2ウォンにとどまる安定した状況だ」
と指摘した。
韓国政府が自信感を示すのには理由がある。
まず、非常時に使える「実弾」が4000億ドルを超えるほど十分にあることだ。
韓国銀行が管理する外貨準備高は3220億ドルに達し、中国と結んだ通貨スワップは560億ドルが上限だ。
また、韓国、中国、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)が域内の為替市場の安定に向けて創設した多国間の金融安定基金からも384億ドルを引き出すことができる。
このほか、国際金融市場は現在、資金がだぶついた状況だ。
米国、欧州、日本が一斉に市中に流動性を供給する量的緩和政策を取り、韓国の株式、債券市場にはむしろ過剰ともいえる外国人の投資資金が流入し、警戒が求められるほどだ。
国際金融センターの李成漢(イ・ソンハン)所長は
「韓国が日中と国債投資時に事前協議を行うことにしたのは、外貨流入そのものよりも急激な流入を心配したためだ。
こうした状況で為替相場や外貨調達に問題が生じる可能性はほとんどない」
と分析した。
しかし、北東アジア研究を行うNEAR(ニア)財団の鄭徳亀(チョン・ドック)理事長は
「安全装置は多いに越したことはない。
韓日の外交関係が正常化されれば、韓日通貨スワップも元の状態に戻すべきだ」
と指摘した。
』
【おもしろ韓国】
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