2012年7月29日日曜日

「賢かった韓国人」と博物館の中庭に立つ孔子像

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●【新刊】イ・ドヒョン著『亡国と興国』(韓国学術情報)



朝鮮日報 記事入力 : 2012/07/29 07:32
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/29/2012072900263.html

賢かった韓国人がなぜ日本人に国権を奪われたのか

【新刊】イ・ドヒョン著『亡国と興国』(韓国学術情報)

 「日本が朝鮮を併合する際、総兵力は約100万人、軍艦は171隻だった。
 その3年前の1907年7月末に強制解散となった朝鮮軍の兵力は5845人だった。
 海軍は皆無だった」

 19世紀末の韓日の対照的な運命は、予告されたものだった。
 著者は「賢かった韓国人がなぜ日本人に国権を奪われたのか」という疑問を解こうと、日本の外務省の史料館や東京の古書店を歩き回った。

 二つの点が違っていた。
 開化期の日本は、旧体制と反体制が銃火を交えて戦い、勝った方が政権を取った。
 朝鮮は、旧体制と反体制が権力掌握のため暗闘を繰り広げた。
 日本は、旧体制にせよ新体制にせよ、究極の目標は新たな立憲君主制だった。
 朝鮮では「新朝鮮」は眼中になく、政権獲得だけに没頭した。

 著者は「今の韓国と韓国人の自画像を見ているようではないか」と問いかけた。
 411ページ、2万9000ウォン(約2000円)。

 
 自ら「賢かった」というくらいに愚かだった
ということなのだろう。



朝鮮日報 記事入力 : 2012/07/29 07:17
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/29/2012072900257.html

【コラム】博物館の中庭に立つ孔子像

 「家族の中で年配者が尊敬され、複数の世代が一緒に暮らしている様子は素晴らしい」。
 40代以上の中国人に、韓流ドラマをよく視聴する理由を尋ねてみると、こうした答えが返ってくる。
 中国は約30年に及ぶ改革・開放を経て、経済的な生存問題は解決したが、その一方で「道徳の崩壊」という後遺症に直面している。
 中国メディアはここ数年、親と子ども、師匠と弟子の間での倫理に反する行為に関する話題や報道であふれ返っている。
 街で事故や犯罪の被害に遭っても周囲の助けを全く得られないという話は、もはやニュースでも取り上げられないほどありふれた出来事になった。
 家族の倫理や社会の道徳の問題に対して
 中国人が感じている「渇き」を、韓流ドラマが代わりに満たしている
わけだ。

 2000年代半ばから中国政府が孔子の復活に乗り出したのも、こうした社会的雰囲気と無関係ではない。
 孔子の故郷、山東省曲阜市にある孔廟が復元され、孔子の生涯を描いた映画やテレビドラマが制作されるなど、孔子が大々的に取り上げられた。
 昨年初めには、北京中心部に位置する天安門広場の大通り沿いに、高さ9.5メートル、重さ17トンの超大型孔子像も登場した。
 外に向けては中国の文化的パワーを広く知らしめ、内に向けては、社会主義の理念と共同体意識が消えたその跡に儒教の普太字遍的倫理観・価値観を導入し、社会の安定を図りたい、というのが中国の為政者の狙いだったのだろう。
 しかし、こうした意図とは裏腹に、孔子は中国国内でなかなか根を下ろせずにいる。

 民族主義的傾向が強い中国の青少年層にとって、孔子は依然として、19世紀に中国の衰亡と国家的恥辱を招いた旧時代の人物といえる。
 「孔子が復活したら、五・四新文化運動はどうなるのか」
と青少年らは問う。
 中国の政治・経済改革を主張する右派知識人は
 「孔子の復活」について、中国歴代王朝のように、共産党の独裁体制維持のための手段として悪用される
のではないかと厳しい見方をしている。
 右派知識人にとっては、孔子の仁愛思想よりも、自由・平等・主権在民といった自由民主主義の基本的価値や原則の方が優先事項だ。
 だがその一方で、激しい競争時代に生きる中国国民は、復活した孔子を「祈福」の対象として受け入れている。
 毎年入試のシーズンになると、北京の孔廟や国子監周辺では合格祈願の高価なお札が飛ぶように売れ、孔子像に子どもの合格を祈る保護者が大勢集まってくる。
 昨年4月、天安門広場に設置された大型孔子像はわずか100日で撤去されたが、その背景には、中国社会が孔子に対して抱いている、こうした違和感がある。

 少し前に、拡張工事を終えて新たにオープンした天安門広場横の中国国家博物館を訪れた。 
 広場から撤去された大型孔子像は、コの字型をした博物館の建物に囲まれた狭い中庭に移されていた。
 一日中建物の影に遮られ、観覧客はそこに孔子像があることさえも知らずに通り過ぎていく。
 孔子が中国文化のアイコンとして生まれ変わるには、さらなる歳月とより大きな社会的変化を経なければならないかもしれない。




【おもしろ韓国】



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