2012年10月9日火曜日

韓国経済の成熟、成長鈍化への対応:経済の砂漠化

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ウォールストリートジャーナル 2012年 10月 8日  13:16 JST
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_525662?mod=WSJFeaturesAuto

韓国経済の成熟、成長鈍化への対応

 【ソウル】韓国は1962年、繊維産業を豊かさへの最初の踏み台とした5カ年計画に着手し、貧困からの脱却を開始した。
 だが半世紀経った今日、成長が減速する中で大統領選挙を2カ月後に控えているにもかかわらず、この国をどのように次の段階に引き上げるか議論する者は皆無だ。 

 こうした沈黙は、1つには選挙運動の圧力の反映でもあるが、他方でそれは韓国がより大きく変化した証拠でもある。
 つまり経済に関する限り、この国の政治指導者や政策立案者たちは壮大な構想を描くのをやめ、壮大な目標を設定することをやめ細かな目標へと移行したのだ。 

 スポーツ用語で言えば、 
 韓国は経済についてオフェンス(攻撃)からデフェンス(防御)へシフトした。 

 1980年代に財務部長官(財務相)として経済の大きな役割を主導したベテラン政治家の姜慶植氏は、
 「大統領選挙後の新政権は何らかのドラスチックな措置を講じるべきだ」
と述べた。
 同氏は現在、サービス部門が他の同様の諸国よりも遅れていることを懸念している。
 ただし同氏は
 「われわれはドラスチックな行動を予想できない」
とも語った。 

 韓国で、多年度にわたるトップダウン方式の経済プランの時代が過ぎ去って久しいのは言うまでもない。
 同国の総生産は年間1兆ドル近い規模となり、世界第15位の経済国だ。
 あまりにも大きく多様で、政府指導者や官僚の手で厳格に形成できるものではない。 

 現職の李明博大統領は、壮大な経済プランが脱線しうることを学んだ。
 2008年に大統領に就任して2カ月後に貿易協定を締結したが、大規模な抗議行動が起き、その年の後半には世界的な金融危機が発生し、経済目標の断念を余儀なくされた。
 例えば一部国営企業の民営化や、経済成長率を年間約5%から7%に引き上げる計画だ。 

 今日、李大統領の後継を目指す大統領候補は、与党セヌリ党の朴槿恵氏、民主統合党の文在寅氏、無所属の安哲秀氏の3人だが、3人とも福祉制度をいかに充実させるかのほか、大学授業料をどう引き下げるかなど仔細なテーマについて論議している。
 批判的な人々は、こうしたテーマをポピュリスト(大衆迎合主義)的だと非難している。 

 ある意味で、経済政策の攻撃から防御への変化、つまり攻守交代は、韓国にとって重要な進歩でもあると言える。 

 例えば、それは政策決定者たちが資本移動に対するこの国のぜい弱さを克服したことを示唆する。
 それは2008年の金融危機の勃発後、韓国が直面した大問題だった。 

 2010年に資本流出入問題で韓国政府の顧問を務めた米プリンストン大学のエコノミスト、ヒュンソン・シン氏は、より小さな経済問題に関心を集中できることは「極めて良い兆候だ」と語った。 

 こうした変化はまた、政府の巨大建設事業の終わりを示唆する公算が大きい。
 例えば経済の推進役としての李大統領の河川灌漑(かんがい)事業や、同大統領の前任者たちの各種大規模事業だ。
 韓国最大の都市ソウルの市長は昨年末の就任後、資本集約型の事業を幾つか変更ないし中止した。 

 韓国の経済も、成長は鈍化しているが、危機に直面してはいない。
 08年の景気下降から、ほとんどどの先進国よりも早く回復した。 

 そして、ユーロ圏危機をきっかけにした成長への新たな圧力に直面しているが、それにもかかわらず、韓国の財政ポジションは極めて強く、政府の政策立案者は単純な帳簿の変更だけで刺激策を立案できるほどだ。
 しかも最近格上げされた国債にも脅威にならないはずだ。 

 しかし、大がかりな経済目標設定からのシフトにはリスクもある。
 急速に高齢化する人口と、韓国の輸出型モデルを真似た諸国との競争に対処する新しいアイデアが必要な時期に、経済が漂流する恐れがある。 

 成熟経済において成長を促進する多くの戦略には、女性や移民の雇用拡大など困難な課題に対処する政治的なコミットメントと意欲とが不可欠だ。 

 高麗大学のエコノミスト、シン・クワンホ氏は
 「われわれの経済は極めて急速に拡大した。規模の点では極めて大きい」
と指摘。
 「しかし質の面、例えば社会における規制、その他の制度の効率面では、依然として多くの問題を抱えている」
と語った。

 シン氏は、米国のエコノミストのバリー・アイケングリーン氏やドワイト・パーキンズ氏とともに、韓国の急速な発展に関する著書「From Miracle to Maturity(仮題:奇跡から成熟へ:韓国経済の成長)」を執筆し、
 その中で過去50年間の経済モデルから、人口が近く減少する公算が大きく
 経済が鈍化しそうな国にふさわしいモデルへと、どのように転換できるか
を論じている。

 同書は、政府が製品や労働市場の規制緩和、高等教育の改革、対内投資の誘引などによりサービス部門の生産性の向上を提案。
 一方、同国の経済政策上の議論の的である所得較差、大企業と中小企業の被用者間の福利厚生の較差などについては触れていない。

 シン氏は、
 「韓国経済はかつて成長率が高く所得の不均衡も小さく皆が幸せだった。
 今は多くの人が経済が成長しても生活が改善していないと感じている」
と語った。

 姜慶植元財務相は、
 「政府の組織は産業の規模に準じており、消費者の権利は非常に弱い
 だが、消費者を中心にすえることによって規制改革や社会の変化を容易に進展させることができる」
として、これまで製造業者を対象としてきた経済政策を消費者を対象としたものに変える必要があると主張した。

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記者: Evan Ramstad 




朝鮮日報 記事入力 : 2012/10/24 08:07
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/24/2012102400496.html

【社説】韓国の看板企業も揺るがす不況の波
   
 現代重工業が50歳以上の管理職を対象に希望退職を募集することを決めた。
 同社が希望退職を募集するのは、1973年の創立以来、初めてのことだ。
 同社は今年9月までの受注量が82億ドル(約6500億円)で、目標のわずか34%にすぎない。
 これは同社だけの問題ではなく、造船業界全体が最悪の不況に見舞われていることを意味する。
 米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は鉄鋼の供給過剰を理由に、ポスコの格付けを「シングルAマイナス」から「トリプルBプラス」に引き下げた。
 ポスコの格付けは1997年のアジア通貨危機で一時は「シングルBプラス」にまで落ち込み、2003年にはいったん「シングルAマイナス」まで回復したが、今回再び落ち込んだ。

 現代重工業は世界1位の造船メーカーで、ポスコは世界の鉄鋼業界で粗鋼生産能力4位、競争力は1位と評価されているが、このような超優良企業でも最近は不況で大きなダメージを受けている。
 つまり、今回の不況はそれほど深刻な状況にあるというわけだ。
 そのため、一般企業については言うまでもない。
 中小の造船メーカーが集まる南海岸エリアでは、多くの工場で船舶製造用のドックがさびたまま放置されており、工場周辺の飲食店も次々と廃業するなど、地方の経済全体が崩壊している。
 建設業界はさらに以前から不況の影響を受けている。
 韓国の100大建設会社のうち21社は、すでに法定管理(日本の会社更生法の適用に相当)や外部による経営再建(ワークアウト)が始まっている。

 企業の設備投資を見ると、今年は4-6月期と7-9月期の2期連続で前年を下回った。
 希望退職の募集を行っている企業もルノーサムスン、韓国GM、GSカルテックス、大韓航空、NCソフトなど、大手の間でも急速に増加している。
 証券会社や資産運用会社といった金融機関も店舗の閉鎖やリストラを加速させており、すでに資金難に陥っている中堅グループのリストは関係者の間で広まっている。
 このままではアジア通貨危機当時のように、あらゆる業種で厳しい構造改革に取り組まざるを得なくなるだろう。
 これは経営者も従業員も等しく感じているところだ。

 ところが大統領候補たちは、誰も不況対策について明言していない。
 今年よりも来年の経済見通しはさらに暗く、韓国経済が長期の不況に陥るとの警告もさまざまな方面から出ているが、大統領候補はばら色の公約しか口にしない。
 12月の選挙で勝利した当選者が最初に取り組むべき課題は不況対策のはずだが、大統領候補たちはこのことを知らないのだろうか。
 本当にそうなら、それこそまさしく危機への不感症で、知っていながらあえて顔を背け、甘い公約ばかり口にしているのなら、これは国民に対する悪質な詐欺だ。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/10/26 09:10
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/26/2012102600607.html

「経済の砂漠化」に直面、全経連が懸念
   
 全国経済人連合会(全経連)は25日、韓国経済全体で生産力が低下する「経済の砂漠化」に直面しているとの認識を示した。

 全経連は同日、経済協力開発機構(OECD)などの統計資料に基づき、経済の砂漠化を示す根拠を挙げた。

 全経連はまず、マクロ経済の面で潜在成長率が急激に低下し、
 「成長エンジン」が壊れているほか、
 家計所得の基盤悪化で内需の余力も低下
 していると指摘した。
 金融面では拡大的な通貨政策を取っても資金が流通せず、企業の生産活動が低下しているとした。
 また、
 急速な高齢化、
 中堅企業・大企業に比べ零細企業の割合が高いこと、
 政府債務の増大による財政余力の低下、
 反企業感情の広がり
などにも懸念を示した。

 全経連は
 「経済の砂漠化を防ぐためには、企業投資を誘発する政策的な手段が求められる。
 雇用を創出し、家計所得を引き上げ、 
 経済の生態系を復元する最も効果的な方法
は企業の投資以外にない」
と強調した。





【おもしろ韓国】




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