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朝鮮日報 記事入力 : 2012/09/23 08:13
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/09/23/2012092300097.html
【コラム】安哲秀教授と橋下市長の違い
独島(日本名・竹島)と歴史認識問題で対立する韓日両国に最近、共通点が生じた。
それは無党派指導者待望論だ。既成政党に属さない安哲秀(アン・チョルス)教授と橋下徹大阪市長が熱狂的な支持を集めている。
既成政党が先を争ってラブコールを送るのも同じだ。
しかし、共通しているのはそこまでで、
人生観や政策は全く異なる。
橋下市長は「闘鶏」と称されるほど戦闘的だ。
橋下氏はツイッターなどを通じ、自分に対する批判に直ちに反論と罵倒で逆襲する。
政策は無慈悲で攻撃的だ。
市民より公務員が豊かに暮らすのは間違いだとして、公務員の月給を大幅にカットした。
文化芸術界への支援まで減らし「反文化的」という批判も受けた。
学校別の成績を公開し、競争を触発すべきだとも主張する。
さらに、裕福な退職高齢者に年金を支払わないといった政策も論議を呼んだ。
一方、安教授は傷ついた若者を「青春コンサート」で慰め、大統領候補に名を連ねた。
うそを知らないようなその表情とノブレス・オブリージュ(財産・権力・社会的地位の保持には責任を伴うこと)を実践していること自体が慰めだ。
人気の秘密は政策力、政治力ではなく癒やしの力だ。
橋下市長は衆議院の定数を半分に削減するといった大胆な公約、旧日本軍の従軍慰安婦は存在しないといった妄言で話題を集める。
一方、安教授をめぐる論争は政策面ではなく、聖人のような私生活が事実かどうかだ。
酒も飲めないという「正しい生活を送る男」安教授とは異なり、橋下市長はプライベートな生活は問題にされない。
橋下市長は高級クラブのホステスと不倫関係にあったという報道を認めたが、橋下待望論は揺るがないままだ。
髪を染めた「不良弁護士」としてバラエティー番組に出演し、毒舌を武器に政界入りした橋下市長にとっては、不倫は人気を象徴する勲章程度に受け止められている。
2人は家庭環境も異なる。
安教授は医師の家庭に生まれ、医大を卒業し、ベンチャー起業家として誰もがうらやむ人生を送ってきた。
橋下市長は日本では依然差別の対象となっているいわゆる「被差別部落」の出身だ。
早く亡くなった父親は暴力団員だったともいわれる。
貧しい祖母に育てられた橋下氏はアパレル関係の仕事をしながら大学を卒業した。
橋下市長は3男4女の子だくさんだが、安教授は一人娘がいるだけだ。
橋下市長の妻は専業主婦で、安教授の妻は医大教授だ。
若者が熱狂する理由も対照的だ。
橋下市長待望論は、20年にわたる長期不況と高齢化で活力を失った日本社会の刺激剤になるという期待心理が背景にある。
日本の「草食型」の若者は、激しい競争を主張する「肉食型指導者」を待望しているようだ。
一方、安教授待望論はあまりに競争的な韓国社会に対する不満と無関係ではない。
動物の世界のような弱肉強食式の競争を嫌う韓国の若者は、平和と安穏を象徴する草食型指導者を望んでいるようだ。
変わり種政治家が一人で世の中を変えることはできないはずだ。
しかし、既存の政党、政治家が若者の不満を解消できなければ、第2の安哲秀、第2の橋下を望む声がいつでも出てくるのではないか。
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【おもしろ韓国】
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